備品を買うのに稟議書が必要な日本。一方決断が早いインド、スピードが要のベンチャーが育つ環境本日、東京外国人特派員協会でJR東日本企画の方を食事に招待した。有楽町電気ビル20階に位置する記者クラブ、様々な人種で賑わっていた。グローバル化が一段と進むなか、ベンチャーが育つ環境について考えた。
インドは世界でもトップクラスの「ベンチャー大国」と言われている。2020年には年間1万500社の新規事業が誕生すると予想されている。歴史的にもインドはエンタープライズ=「企業心に富んだ」人が多いと言われ、「何かが生まれるのでは」という独特の高揚感を味わえる。 一方、シンガポール現地法人の社長をしている日本の友人は、この数年アジアで事業を拡大、任期を終え、この春から東京本社勤務。「鉛筆を1本買うのに3人の印鑑が必要なんて信じられない!」と危機感と若干諦めの声を発している。 3大商人は「華僑、印僑、ユダヤ商人」と言われている。そして、ビジネスはスピード勝負。インドは意思決定が非常に早い。例えば今年11月のイベントを行うとなると、10月から準備をしても間に合うと判断する。もし日本で11月にイベントを行うとなると、「1年前から準備をしないと」となるだろう。 先日、インドで3年弁護士を務めた方にアドバイスをいただいた。日本はインドから学ぶことが多いと。最近の日本企業はインドを3年で撤退するが、それは日本企業の本社の人間がインド可能性を見ず、「企業心に富んだ」人材を上手く扱えていない。もう少しインドでのベンチャー精神を大切にし、スピード感とインドで5年10年挑戦する姿勢があれば、日本企業は成功するのにと。日本企業がインドで成功するためには、ベンチャーマインドを育て、失敗を繰り返し、長期に渡りインドに真剣に取り組むべきなのではないだろうか。 聾唖のベルボーイ、ビジネスクラス専用のバトラー、高給の女性機長と様々な立場で働く人が多いインド今回は、インド滞在中に会った3名を紹介したい。1人目は、先日デリーの空港から5分のホテルにチェックインした時に出会った方。チェックイン後、おそらく30代のボーイさんに荷物を部屋まで持っていただいた。驚いたのは、バッジに「I will help you but I cannot speak nor hear」とあり、聾唖の方であったこと。世界各国回っているが、初めての経験である。インドは雇用のチャンスを聾唖の方に与えており、その方が普通に仕事をしていることに衝撃を受け、感動した。彼のような障がい者が普通に活躍するインド社会が正直意外であり、また考えさせられもした。帰国後、ネットで調べると聾唖者に就職のチャンスをとチャリティー団体がインドでは積極的に活動していることを知った。
その後、デリーからシンガポールまでビジネスクラスで戻り、インド的なサービスを受けた。チェックインからラウンジまで一人のバトラー的な23歳の男性職員にバッグを持ってもらい、入管とセキュリティーチェックまでをもお供していただいた。これが2人目の方だ。給料は8000ルピー(月約1万4500円)で、ビジネスクラスの全てのお客様に付くという。「ここまでするか!」とこれもまた驚いた。 3人目は機内で隣だった、67歳男性で定年退職されている方。話が面白く会話が弾み、「成功の秘訣」など色々話を聞き、勉強になった。3人の娘のうち2人は医者、末っ子がエアーインディアのキャプテンとのこと。28歳で女性キャプテン、給料は月145万円程。素晴らしい。他のアジアをみてもここまで女性の雇用が進んでいる国はないのでは、とふと思った。いつも発見があるインド、8月15日インドの建国記念日の今日、さらなる発展を期待したい。 インド人が忙しくしているのは毎晩パーティーに参加しているから?基本「Yes」の返事が多忙を生むのかお盆前の夏休みシーズンまっただ中の今回、「インド人の多くは比較的忙しい人が多い」をテーマに書いていきたいと思う。そういう私も、朝6時に東京との電話会議、デリーで銀行、在印日本大使と打ち合わせ、その後シンガポールに移動し朝からフルで予定が入り、夜は久々に家族と食事をとることができるといったスケジュールだ。おかげさまで忙しくさせていただいている私ではあるが、今の時期、日本人は休暇前後で忙しい人だらけだと思う。とはいえ、インド人の大半は年中忙しいように見える。特に、成功している中間層以上が「忙しい」印象なのはなぜだろうか?
この件について自分なりに色々分析してみたが、収入が比較的多く、人脈ネットワークも広く、趣味も多彩にある中間層以上は、忙しくなりやすいようだ。僕は彼らが忙しい理由は基本、すべての声かけに「Yes」と答えているため忙しいのではないかと思う。 たとえば、友人のインド人ファッションデザイナーはムンバイで5つのパーティーに呼ばれると、5つのパーティー全てに顔を出す。「呼ばれたら行く主義」らしい。深夜2時過ぎまで出かけ、美女と高級シャンパン、音楽が流れるなか踊り、語り尽くす。彼は実は米アマゾンの「クリエイティブディレクター」も兼務している。月曜から木曜まで、バンガロールでAmazonの仕事をしているが、金曜日は必ずムンバイで5つのパーティーに参加する。おそらく本人は「忙しい」感覚に捕われていないからそのスケジュールをこなせるんだと思うが、中間層以上のインド人は確実に「Yesと答えるから忙しい」のだと僕は思う。日本人の皆様は「忙しさ」についてどう思われますか? 1時間に3千人の赤ちゃんが生まれるインド。競争社会を乗り切る精神力の原点はどこからくるのか?インドでは年間約2600万人の赤ちゃんが生まれている事をご存知だろうか。1日7万人、1時間になんと3千人強が生まれている。日本では昨年、年間100万人の出生を切った。人口増のピラミッドで若い人が毎日増えるインド、ものすごいエネルギーを感じる。
インドは政府の総予算のうち、約14%を教育につぎ込んでいる。日本の教育予算は最近減っており、子どもの人口が減っているので今は9%台とのこと。元々日本は80年台には18%程教育につぎ込んだ時期もあったが、今は減少傾向。子どもの人口が増えないので、教育支出も減る。逆に言うと日本は一人一人の子供に投資する政府以外の教育費は上がっているのではないでしょうか。 年間2600万人が生まれているということは、インド人は競争社会を生きているのだと感じる。大学も就職も大変。日本人の多くは日本の国内を目指すが、インド人のトップは世界のトップを目指す。大学も留学、就職も英国、米国など。グローバル企業に大勢のインド人が働いている。かなりの競争率を勝ち抜いてきたインド人、実に精神力はタフだと思う。 先週インド大使館でJapan-Indiaシンポジウムの最後にインド大使館に常駐勤するヨガの先生を会場に招いた。インドのビジネスの難しさとインドの課題、可能性、将来性などを語った午後の最後に10分程ヨガの先生が60名相手にヨガセッションを行った。Laughing Yogaという「笑いヨガ」を披露。会場は完全なるポジティブな雰囲気だった。インドでの競争は激しいが、ストレス解消方法=ヨガが日常にあるインドはさすがである。 |