モディー政権3年で、国民の6割以上の高評価。経済やインド文化の世界インパクトに期待モディー政権が3年を迎えた。日本の第二・安部政権も2012年から4年半を迎える。安定は安定なりに課題はあるが、過去の日本の政治にみられた、首相がコロコロ変わる時代よりは安定政権の方が良いと思う。インドのモディー政権も3年を振り返り、大半は「良かった」との意見だ。
大国インド、さまざまな大胆政策をモディー氏は打ち出して来た。Make In India、Digital India、Smart Cities、Clean India、Cleaner Fuelがスタート。Make In India政策はインドを生産地にし、インド国内の需要と世界に向けた輸出を打ち出した。Digital Indiaは、paper moneyからデジタルに移行しより透明性のある経済に。Clean Indiaは、トイレなどの普及、インドの汚染された川も対象になった。 大国だと問題のスケールも大きい。昨年はいきなり、最高額紙幣1000ルピーと、紙幣500ルピーの通貨が無効に。日本語では「廃貨」と言われ、大きな衝撃を与えた。これは汚職、偽札などいわゆるブラックマネーの根絶のための政策で、昨年は何時間も銀行に並び紙幣を銀行に入金し、新紙幣に替える光景がインド全土で見られた。この政策は成功したのかと疑問視する声も当初あったが、ブラックマネーが経済の何十%を占めていた状況からは一定の成果は出たとも言われている。 2017年は「インドと日本の友好年」、6月には世界で国際ヨガの日を迎え、世界各国、京都、東京でもヨガイベントが行われる。経済効果だけでなく、ヨガや瞑想の世界的貢献は大きいのではないだろうか。テロや紛争などネガティブなニュースが多い昨今、インドの伝統的思想が少しでも世界によい影響を与えてくれたらと願っている。 日本のスマホ人口が約6000万台に留まるなか、インドは既に2億台。中国を抜いた大快挙だ。今、インドのゲーム業界が熱い。現在インドのゲーム人口は1億5000万人、コアのゲーマーは1200万人、ゲームダウンロード世界5位(米国、中国、ブラジル、ロシアに次ぐ)、昨年のダウンロード数は16億を記録。2020年には53億ダウンロードが予想され、業界では1000億の突破予想。インドオンラインゲーム人口は1億2000万人、2021年には3億1000万人に育つ予想。既にインドは世界第2位のスマホ人口を誇り、2021年には4億6800万台になる。
昨年同連載を始めた際、インドは「数字のマジックの国」とお伝えした。インドは一年で15万人人口が増えるなど、驚きが多い。先週の東北、長野に続き今日は山口へ出張だが、日本の地方は本当に人が減っていると感じた。人口は減っているが、日本のコンテンツは素晴らしい。食からサービス、インフラ、もちろんゲームも。ただし、今後は人口減が大きな社会的リスクになるだろうと、各地で人の歩いてない光景を見て感じた。山口県だけで見ると5年で4万人の人口減(約3.2%減)。日本全体で一年約2.7万の人口減だ。人口増の問題も多々あるが、日本は人口減の問題をどう解決して行くのか。 インド最大のゲームイベントIGXが、今年3回目になる開催を11月にムンバイで行う。ゲーム人口も順調に伸び、来場者も出店社も毎年伸びている。日系IT企業も多数インドに出張し、様々なベンチャー投資案件も進んでいる。今年、インド「99 Games」へ日本のファンド「ドリームインキュベーター」が投資した。女性向けのゲームを中心に開発を行い、有名なのはアプリ「Star Chef」で、月150万人のユーザーは主に米国、日本、台湾、インドにいる。スタートアップから巨大ゲーム会社まで、今後もさらに発展するだろう。 南インドに伝わる武術、カラリパヤットは少林寺拳法を生み出したと伝わる。インド伝統医学「アーユルヴェーダ」に繋がるとも山形県近くの上空から昨朝連載を書き始めたが、今は既に翌日夕方、長野箕輪町で机に向かっている。昨晩はインド大使館で高窓妃殿下を迎え、日印文化イベントに参加。12世紀には今の形で存在し、16世紀に最盛期を迎えたケララの伝統武術「カラリパヤット(Kalaripayattu)」を、次世代に継承する8人のメンバーにより披露された。ライオンやヘビなどの姿勢や、19種の蹴り技など素手での打撃技、逆関節を取ったり投げたりする技法がある。また、剣・盾・棒・鎖分銅など18種のアンガム・ウァイタニイと呼ばれる武器を使用する武器術も。鞭のようにしなる長剣『ウルミ』は特徴的な武器術の一つだ。
本物のナイフや刀を使ったパフォーマンスは迫力があり、女性軍は「怖い!」と眼をそらしていた。練習で血だらけになることもあると言い、その迫力が観客を魅了した。伝説によると、中国の少林寺で禅の開祖となったBodhi Dharmaは、タミルナードゥのKanchipuram出身、彼が南インドで学んだ武術(カラリパヤットの原型)を禅と共に中国に伝え、それが中国武術の元になったともいわれている。よって、日本の空手も遠くインドにその源を発する事になる。 カラリパヤットの大きな特徴の一つが、マルマンというツボの概念を持ち、それが攻撃技にも体系的な療術システムにも活用されている点だ。南インドのケララ特産の薬草を用いた土着医学とアーリア系のアーユルヴェーダが融合した「カラリ療術」が、オイルマッサージを中心とした地元住民の身近な医療として多くの人々に利用されたとのこと。武術から生まれ統合されたアーユルヴェーダ、のち世界の整体、指圧、マッサージなどボディートリートセラピーに発展したという。インドの影響力をここでも実感、実に勉強になった。 |